読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2020年にはどの大学でも長文記述式問題が当たり前になる

【スポンサーリンク】

長文記述式の大学入試問題

f:id:browncapuchin:20160328055016p:plain「キングス・クロス駅の写真です.あなたの感じるところを800字以内で述べなさい.」

これは,ある大学における実際の入試問題です.

あなたは問題から出題者の意図を読み取り,合格できる答を書けますか?

 

この問題は,順天堂大学医学部の小論文(画像出典:http://www.pamda.info/wp-content/uploads/2015/03/jyunten-syouronbun-2015.pdfで課されました.同大医学部では,ここ数年同じ形式の問題が出されています.

 

例えば,こういう問題.

 

f:id:browncapuchin:20160328055425p:plain(出典:http://blogs.yahoo.co.jp/abcd5963ne2/GALLERY/show_image.html?id=32050537&no=0



はたまたこういう問題.

f:id:browncapuchin:20160328055530p:plain(出典:http://www.phenix-zemi.jp/_p/1698/documents/BDE7C5B7C6B2C2E7B3D8A1CAB0E5B3D8C9F4A1BFBEAECFC0CAB8A1BF2012A1CB.pdf

 

順大医学部入試小論文の問題がこの手の形式を採用していることは去年の記事で見かけました.

toyokeizai.net

 

だから,今さらこの話題にふれてもニュースバリューは特にない,と思っていたのですが・・・

 

一昨日,2016年3月26日読売新聞朝刊1面にでかでかとこう書いてありました.

『大学入試改革 記述式20年度から』

 

2020年は,ちょうど下の子が大学受験を迎える年です.ちょうど大学入試センター試験が変わり,複数回入試が導入されたりマークシート方式から何らかの方式に転換するなどとの情報は持っていました.

でも,

「次の学習指導要領で学んだ高校生が受験する24年度以降は,(中略)200〜300字程度の記述式問題も採り入れる」(2016年3月26日読売新聞朝刊1面)

と書いてありました.

その頃には,きっとうちは大学入試とはもう縁が切れてることと信じたいですが,何があるかわからないのが人生.もしかしたら順大医学部入試の小論文みたいな問題が普通に出題されるようになるときに「自分探し」が始まって,また大学受験するとか言い出さない可能性はゼロじゃありません.

そう思って,ちょっとだけ調べてみました.

ソースは購読している読売新聞(2016年3月26日読売新聞朝刊1・3・26・39面),それとWEBの毎日新聞http://mainichi.jp/articles/20160326/k00/00m/040/152000c,日経新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H49_V20C16A3EA2000/),朝日新聞(http://digital.asahi.com/articles/DA3S12277704.html?rm=150)です.

 

 

2020年度からの入試変更点

2020年度からの変更点をざっくりまとめるとこうなります.

1.大学入試センター試験の名称が「大学希望者学力評価テスト(仮称)」に
2.対象となるのは2016年4月に中学2年になる生徒から
3.2020〜2023年度まではマークシート方式及び短文記述式問題を併用
4.記述式は当面,国語と算数で導入,短文記述式の字数は40〜80字程度
5.記述式の採点は大まかなランクごとの段階別評価
6.記述式の採点には1~2ヶ月かかるので,記述式とマークシート方式を別日程に分離する案も検討,
7.マークシート方式には正答が複数ある問題も出題
8.英語は,英検やTOEFLなどの活用も検討
9.2024年度以降はCBTを導入
10.2024年度以降は200〜300字程度の記述式問題を導入


では,2016年4月から学年別に何が起こるのか整理しましょう.

 

2016年4月で中学3年→現行のまま

このまま勉強しましょう.ただし,国公立の二次試験の記述形式の問題はもしかしたら何らかの変更があるかもしれません.

しかしながら,新中3生が大学受験に失敗すると,悲劇が待っています.浪人したら新制度の下で再受験しなければならないからです.また,制度変更に対応できる高校とそうでない高校の差が開くかもしれません.

「現在、中学2年生の生徒は旧制度で最後の試験を受ける子供たちになる。浪人すると新しい制度の試験を受けなければならないので、できるだけ浪人は避けたい。父兄の中には今から戦々恐々としている人もいる」(大手予備校教師)

さらに言えば、大学が求める人材も変わってきており、これまで多くの進学者を送り出してきたエリート進学校が今後も受験界で覇権を握り続けられるかどうか、雲行きが怪しくなってきた。

例えば、旧来の知識偏重型大学入試における「王者」として君臨してきた開成高校。過去30年以上にわたって東大合格者数トップの押しも押されぬ名門校だ。しかし今後、東大を頂点とする偏差値至上主義から抜け出せなければ、時代の変化に対応できない可能性もある。大学受験大手予備校の幹部が語る。

「開成は東大入試に焦点を絞って、いかに効率よく勉強するかという点に力を入れてきた学校。近年、現役東大合格率で開成をしのぐ勢いの駒場東邦も似たスタイルの教育です。成功体験があるだけに、新しい教育システムへの移行が遅れる可能性もあります。女子高でいうと桜蔭や豊島岡女子学園もこのタイプです」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48044?page=2)

 

gendai.ismedia.jp

この記事にも順大医学部入試問題の「キングス・クロス駅のコートの男」が取りあげられていました.

 

2016年4月で中学2年→マークシート方式と短文記述問題併用

この学年から複数回答ありのマークシート方式への準備が必要ですが,新中2生は新テスト初年度のため,過去問が一切ない手探りでの受験となります.記述式問題については,字数もさほど多くなく,後述するように自由度が高い記述問題にはならないことが救いかもしれません.

とはいえ,とにかく日々80字程度で文章を書く訓練はしておいたほうがいいかもしれません.「一行日記」を書き続けることはきっと役立つでしょう.

 

2016年4月で小学5年→CBT及び長文記述式導入

今回の改訂の中では,小学5年生がもっとも大きな影響を受けるでしょう.CBTと長文記述式の両方が導入されるからです.

CBTとは(Computer Based Testing)コンピュータを利用した試験です.受験生毎に異なる問題が出題されるためカンニングしても無意味な上,採点も容易なことから医師や薬剤師の共用試験や,様々な資格試験や入社試験に導入されています.

センター試験では英語のヒアリングで毎年不具合が発生するのはすでに様式美となっています.CBT導入でどんな問題が発生しても何もおかしいことはありません.

さらに長文記述式が加わります.字数が200〜300字とされていますが(読売新聞),高大接続システム改革会議での「最終報告(案)」(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/033/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/03/25/1368954_01_1.pdf)に目を通したところ,具体的な字数は見つけられませんでした.該当箇所を引用します.

「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の記述式問題については,現在,国立大学の二次試験で行われているような解答の自由度の高い記述式ではなく,設問で一定の条件を設定し,それを踏まえて結論や結論に至るプロセス等を解答させる「条件付記述式」を中心に作問を行うことにより,問うべき能力の評価と採点等テスト実施に当たっての課題の解決の両立を目指す.
 対象教科については,当面,高等学校で共通必履修科目(注:原文そのまま)が設定されている「国語」「数学」とし,特に記述式導入の意義が大きいと考えられる「国語」を優先させる.平成32年度から平成35年度(注:2020年度〜2023年度)までの現行学習指導要領の下では短文記述式の問題を導入,平成36年度(注:2024年度)以降の時期学習指導要領の下ではより文字数の多い記述式の問題を導入する.

 

「平成36年度(注:2024年度)以降の時期学習指導要領の下ではより文字数の多い記述式の問題を導入する.」という記述しかありません.字数がどうなるかについては何とも言えませんが,採点にはAIとOCRを用いるらしいので,あまり長文になると精度が低下する危険性が高くなるでしょうから,順大医学部入試小論文試験のような800字にはならないかもしれません.タイトルと違いますね.

 

おわりに

なお,文科省の資料に当たろうとしたところ,新聞報道には「有識者会議」あるいは「専門家会議」などとしか書かれていないため,該当する会議(高大接続システム改革会議)を探すだけで10分くらいかかりました.こういうソースはちゃんと新聞に書いといてほしいものです.

大学入試センター試験は,国公立大学入試のみならず,私立大学の入試にも利用されています.そんな事情も拙記事にて書きました.それだけ,センター試験の制度変更は受験生にとって影響が大きいのです.

高校の担任から「50万円用意しろ」と言われました:大学受験事情2016



準備は早い段階からするにこしたことはありませんが,まだ最終報告(案)の時点で右往左往する必要はない・・・でしょう.うちの場合はそれどころじゃないのが現状ですので.

とりあえず情報だけは仕入れておこうと思いました.

なお,順天堂大学医学部小論文の問題の解答例はこちらです.PCでは見難くて申し訳ありませんが,ほかにもあるようなので気になる方は探してみて下さい.

yokopon007.blog.fc2.com

ではまた!