おまきざるの自由研究

好奇心の赴くままに

【会話形式でさくっと学ぶDNAの基礎の基礎①】4つの塩基 ATGC

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はじめに:会話の設定

このエントリーでは,DNAを学ぶ入り口となる「DNAの4つの塩基」について,2人の会話形式で簡潔に説明します.  

<会話の設定は以下の通り>

某女子大で生物系の講義を担当中の尾巻講師大学3年生の都子さんと,講義と講義の間の10分休みに立ち話をしています.

●都子さんは1年生のとき「生物学の基礎」を履修したのでDNAの基礎知識を持っています(注:しかしながら,講義を担当した経験上,98%くらいの女子大生は3年生になるときれいさっぱり忘れているようです・・・).会話冒頭でのDeNAのくだりは,記事公開当時の世の中の出来事からなにかないかと探した結果,興味を持ってもらえるかもしれないと思って書きました.2017年7月現在,DeNAはいちおうAクラスにいますがDNAとは関係ないので忘れてください.【追記:2017年10月27日:2017年シーズンはDeNAがクライマックスシリーズを勝ち上がり,1998年以来の日本シリーズ進出を決めました!】

読み終えた方は以下のエントリーを順に通読いただけると,DNA→RNA→タンパク質合成(翻訳)まで一連の流れを掴めます.ぜひどうぞ.

DNAの4つの塩基:ATGC←今ココ!
DNA複製
DNA修復
DNAからRNAへの転写
選択的スプライシング
tRNAと翻訳
DNAと遺伝子の違い

 女子大生と講師の会話 :アデニンはチミンと,グアニンはシトシンと結合する

 

都子さん,こんにちは.さっきから何をぶつぶつ言ってるの?

 

 

あ,先生,こんにちは〜.友達が「ディーエヌエーにラミレスが入ったけどあんま変わんないね」って言ってたんです.でもDNAに新しい塩基が入ったらいろいろ変わるはずなのにって考えてたんですー

 

 

そのラミレスっていうのは横浜DeNAベイスターズ新監督のことだね.DeNAの5月10日までの成績は,2015年が22勝15敗なのに今年は13勝22敗.変わってないどころじゃないよ.それはともかく,「ラミレス」がDNAの塩基と合ってるのはカタカナ4文字ということだけだね(注:「はじめに」で述べた通り,DeNAは日本シリーズに進出しました)

 

 

言われてみればそうですよね,てへぺろ.ATGCのどれでもなかったです

 

 

この間,別のクラスでDNAについてテストしたら,1年生のときに習ってたはずなのに正答率が10%未満・・・.でも都子さんはDNAの4つの塩基をちゃんと憶えているようだね

 

 

DNAの4つの塩基は書けるようにしておけ,って先生が口うるさく言ってましたから〜

 

 

 

そうでした.ちょうどいいから復習してみようか

 

 
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上の図がDNAのイラストだね.図にA,T,G,Cと書いてあるのが見えるね?

 

 

はい.Aがアデニン,Tがチミンです.この2つがくっついてます.で,GのグアニンとCのシトシンがくっついてます.あれ?カタカナ3文字もありますよ

 

 

 

そこは気にしないように.DNAは糖分子に塩基分子とリン酸分子が結合してできるヌクレオチドがいくつも結合してできるんだ.上の図だと,赤い線と青い線の両方ともが糖分子・リン酸分子が結合したいわば分子の鎖を示しているんだ

 

 

 

そして,DNAで特に重要なのは塩基同士が対になってることなんだよ

 

 

はい.AとTGとCがそれぞれ対になってます〜

 

 

 

その通り.A(アデニン)-T(チミン)間は水素結合2ヶ所,G(グアニン)-C(シトシン)間は水素結合3ヶ所で対になってるんだ.これは塩基の相補性というんだけど,「A、T、G、Cの4種の塩基うち、1種を決めればそれと水素結合で結ばれるもう1種も決まる性質」があるんだ.ここがとても重要なんだよ

 

 

上の図だと,A-Tの対が4つ,G-Cの対が3つ,合計7対の塩基配列になってますね

 

 

 

ヒトの核DNAだと,この数が約31億(約31億塩基対)と言われてます

 

 

31億!アデニン・チミン・グアニン・シトシン,アデニン・チミン・グアニン・シトシン・・・ATGCを1秒で言っても,31億回は2万1,527.7時間もかかっちゃいますよ

 

 

 

うん,どうでもいい計算ありがとう.計算結果は忘れてほしいけど,ATGCについては憶えたね

 

 

今ので憶えた・・・

 

 

またアヌビス神のスタンド・・・別のイラストをいらすとやさんにリクエストしようかな

 

 
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参考記事・参考書

過去記事でDNAの構造の基礎についてまとめましたので,よろしければ参考にしてください.

browncapuchin.hatenablog.com

記事冒頭の「いらすとや」さんのDNAのイラストに加筆・修正を施しました.


<記事執筆に使用した参考書>
カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学(ブルーバックス)

<おすすめ参考書>
もっと知りたい方は「数ある国際的な科学賞を総なめにした日本を代表する研究者が,10年以上にわたって磨きをかけてきた京都大学の名物講義をもとに書き下ろす」と帯に銘打つこの本の,特に第3章がオススメです.

まとめ:ATGC,アデニン,チミン,グアニン,シトシンを覚えましょう

ヒトの細胞の中の核と呼ばれる場所にDNA(核DNA)があります.ヒトのDNAは約31億のヌクレオチドが結合した一本鎖DNAが塩基同士で対になり,約31億対の二本鎖DNAとなっています.二本鎖DNAがねじれ構造をとっているため,二重らせん構造と言われます.

DNAは糖分子,リン酸分子,塩基分子からなるヌクレオチドが構成単位です.

ヌクレオチドの塩基分子(窒素含有塩基)には,A(アデニン),T(チミン)G(グアニン),C(シトシン)の4種類があります【注:『大学生物学の教科書第2巻p.172』には「DNAにある4つのヌクレオチドの唯一の違いはそれらの窒素含有塩基にある」と書かれていますが,ここではDNAの4つの塩基としました】.

A-T間は水素結合が2ヶ所,一方G-C間は水素結合が3ヶ所という違いがあります.このため,A-Tの対G-Cの対ができるという性質がみられます(相補的塩基対).

例えば,ATGCAGという塩基配列(図の下のDNA鎖:5'-3'の塩基配列)があるとします.この塩基配列では,AとTTとAGとCCとGAとTGとCが対になってます.

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(出典:http://www.mls.sci.hiroshima-u.ac.jp/smg/education/DNA.html

 

なお,Pはリン酸分子,オレンジ色の五角形は糖分子,5'(5ダッシュ)と3'(3ダッシュ)は分子の結合の方向性5'→3'を指します.

まずはDNAの4つの塩基ATGC(アデニン,チミン,グアニン,シトシン),そして塩基同士の関係についてきっちり覚えましょう.DNAの理解はここから始まります.

ではまた!