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覚えておきたいDNAの4つの塩基:ATGC【女子大生との会話より】

科学
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はじめに

このエントリーでは,「DNAの4つの塩基」について,2人の会話形式で簡潔に説明します.

<会話の設定は以下の通り>

某女子大で生物系の講義を担当中の尾巻講師大学3年生の都子さんと,講義と講義の間の10分休みに立ち話をしています.

●都子さんは1年生のとき「生物学の基礎」を履修したのでDNAの基礎知識を持っています(注:しかしながら,9割くらいの女子大生は3年生になるときれいさっぱり忘れているようです・・・).

読み終えた方は以下のエントリーを順に通読いただけると,DNA→RNA→タンパク質合成(翻訳)まで一連の流れを掴めます.ぜひどうぞ.

DNAの4つの塩基:ATGC←今ココ!
DNA複製の基礎の基礎
DNA修復の基礎の基礎
DNAからRNAへの転写の基礎の基礎
DNA・RNAの基礎の基礎:選択的スプライシング
tRNAと翻訳の基礎の基礎

 女子大生と講師の会話 

 

都子さん,こんにちわ.さっきから何をぶつぶつ言ってるの?

 

 

あ,先生,こんにちわ〜.友達が「ディーエヌエーにラミレスが入ったけどあんま変わんないね」って言ってたんです.でもDNAに新しい塩基が入ったらいろいろ変わるはずなのにって考えてたんですー

 

 

そのラミレスっていうのは横浜DeNAベイスターズ新監督のことだね.DeNAの5月10日までの成績は,2015年が22勝15敗なのに今年は13勝22敗.変わってないどころじゃないよ.それはともかく,「ラミレス」がDNAの塩基と合ってるのはカタカナ4文字ということだけだね

 

 

言われてみればそうですよね,てへぺろ.ATGCのどれでもなかったです

 

 

この間,別のクラスでDNAについてテストしたら,1年生のときに習ってたはずなのに正答率が10%未満・・・.でも都子さんはDNAの4つの塩基をちゃんと憶えているようだね

 

 

DNAの4つの塩基は書けるようにしておけ,って先生が口うるさく言ってましたから〜

 

 

 

そうでした.ちょうどいいから復習してみようか

 

 
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上の図がDNAのイラストだね.図にA,T,G,Cと書いてあるのが見えるね?

 

 

はい.Aがアデニン,Tがチミンです.この2つがくっついてます.で,GのグアニンとCのシトシンがくっついてます.あれ?カタカナ3文字もありますよ

 

 

 

そこは気にしないように.DNAは糖分子に塩基分子とリン酸分子が結合してできるヌクレオチドがいくつも結合してできるんだ.上の図だと,赤い線と青い線の両方ともが糖分子・リン酸分子が結合したいわば分子の鎖を示しているんだ

 

 

 

そして,DNAで特に重要なのは塩基同士が対になってることなんだよ

 

 

はい.AとTGとCがそれぞれ対になってます〜

 

 

 

その通り.A(アデニン)-T(チミン)間は水素結合2ヶ所,G(グアニン)-C(シトシン)間は水素結合3ヶ所で対になってるんだ.これは塩基の相補性というんだけど,「A、T、G、Cの4種の塩基うち、1種を決めればそれと水素結合で結ばれるもう1種も決まる性質」があるんだ.ここがとても重要なんだよ

 

 

上の図だと,A-Tの対が4つ,G-Cの対が3つ,合計7対の塩基配列になってますね

 

 

 

ヒトの核DNAだと,この数が約31億(約31億塩基対)と言われてます

 

 

31億!アデニン・チミン・グアニン・シトシン,アデニン・チミン・グアニン・シトシン・・・ATGCを1秒で言っても,31億回は2万1,527.7時間もかかっちゃいますよ

 

 

 

うん,どうでもいい計算ありがとう.計算結果は忘れてほしいけど,ATGCについては憶えたね

 

 

今ので憶えた・・・

 

 

またアヌビス神のスタンド・・・別のイラストをいらすとやさんにリクエストしようかな

 

 
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まとめ

 ヒトの細胞の中の核と呼ばれる場所にDNA(核DNA)があります.ヒトのDNAは約31億のヌクレオチドが結合した一本鎖DNAが塩基同士で対になり,約31億対の二本鎖DNAとなっています.二本鎖DNAがねじれ構造をとっているため,二重らせん構造と言われます.

DNAは糖分子,リン酸分子,塩基分子からなるヌクレオチドが構成単位です.

ヌクレオチドの塩基分子(窒素含有塩基)には,A(アデニン),T(チミン)G(グアニン),C(シトシン)の4種類があります【注:『大学生物学の教科書第2巻p.172』には「DNAにある4つのヌクレオチドの唯一の違いはそれらの窒素含有塩基にある」と書かれていますが,ここではDNAの4つの塩基としました】.

A-T間は水素結合が2ヶ所,一方G-C間は水素結合が3ヶ所という違いがあります.このため,A-Tの対G-Cの対ができるという性質がみられます(相補的塩基対).

例えば,ATGCAGという塩基配列(図の下のDNA鎖:5'-3'の塩基配列)があるとします.この塩基配列には,AにはTTにはAGにはCCにはGAにはTGにはCが対になります.

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(出典:http://www.mls.sci.hiroshima-u.ac.jp/smg/education/DNA.html


まずはDNAのもつこの性質をきっちり覚えましょう.フキダシ冒頭のDeNAのくだりはそのうち書き換えるつもりなので忘れてください.

なお,Pはリン酸分子,オレンジ色の五角形は糖分子,5'(5ダッシュ)と3'(3ダッシュ)は分子の結合の方向性5'→3'を指します.

ではまた!

参考記事・参考書

過去記事でDNAの構造の基礎についてまとめましたので,よろしければ参考にしてください.

browncapuchin.hatenablog.com

記事冒頭の「いらすとや」さんのDNAのイラストに加筆・修正を施しました.


今回用いた参考書です.