おまきざるの自由研究

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中学生で英検準2級合格は決して普通のことではない【準2級合格者は中学生の1.7%】

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看過できないはてなブックマークコメント

先日,この記事を読んだ.

うちの子も英検準2級合格を目指して日々勉強しているので,このエントリーはとても励みになった.

だが,はてなブックマークコメントに看過できないものがあった.それはperl-o-pal(id:perl-o-pal)さんのこのブコメだ.

普通の中学生でも英検準2級は合格できるから騙されたと思って頑張れ - ヘソで茶をわかす

普通の中学生でも準二級くらいは取ってると思うんだけど、それってなんかの励ましになってる?

2017/11/17 09:25

たしかに普通の中学生でも合格できる.それはへそちゃ(id:hesocha)さんの記事の通りだ.

しかしながら,「普通の中学生でも準2級くらいは取ってる」というのは間違いだ.

なぜなら,英検準2級を取得している中学生は断じてそのへんに普通にいるわけではないからだ.数字をみればこのことが一目瞭然になる.

資料

英検のHPでは受験データとして「受験の状況」を公表している.
f:id:browncapuchin:20171123113023p:plain

しかしながら,ここで公表しているのは残念ながら中学・高校の受験生を合算したものだけだ.なんと2014年以降詳細データは公表しなくなったというデータから見る英検準2級 | English Navi

2013年度中学生英検合格率・合格者数:準2級は38%(61,632人)

小・中・高校生の英検合格率・合格者数については2013年度のものが見つかったのでので,これを用いる[資料1]http://www.abci.co.jp/2014/eiken-0501.html

2013年度中学生の生徒数

2013年度中学生の生徒数は,文科省による資料を用いた[資料2]文部科学統計要覧(平成25年版):文部科学省

2015年度公立中3年生の英検取得者

もうちょっと新しいデータとして,2015年度の公立中の英語教育実施状況調査を用いた[資料3]平成27年度公立中学校・中等教育学校(前期課程)における英語教育実施状況調査

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結果

2013年度準2級合格者は中学生の1.7%

◆資料1より,2013年度中学生の英検合格率・合格者数を表にした.

2013年度中学生英検合格率(合格者数)
5級 89%(134,187)
4級 77%(238,631)
3級 60%(249,009)
準2級 38%(61,632)
2級 24%(7,811)
準1級 18%(898)
1級 15%(203)

2013年度準2級合格者は7,811人

それに対して,資料2によると2013年度の中学生数(1〜3学年合計)は353万6,182人

したがって2013年度中学生数のうち,準2級合格者は全体の1.7%.

準2級合格者は中学生の実に1.7%にすぎないのだ.

ちなみに1学級あたり生徒数は28.8人なので,1クラスの合格者数は0.48人.英検準2級合格者は2クラスに1人程度,ということになる.

なお,英検の受験者(中・高・高専の合算だが)は年々増えている受験の状況 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会.その一方,中学生の生徒数は平成23年度から漸減している文部科学統計要覧(平成27年版):文部科学省4中学校参照).つまり中学生英検準2級取得者は相対的に増えていると考えられる.それでも中学生全体からすれば,英検準2級取得者がまだまだ少ないのが現状だろう.

公立中学3年生の準2級取得者は3.6%

英検準2級合格者が中学生の1.7%にすぎないとはいえ,これは単年度の試験の合格者だ.中学3年以前に準2級に合格している生徒もいると思われるので,中学生の準2級取得者は1.7%を上回って当然だろう.この点を検討する.



資料3によると,2015年における公立中の3年生生徒数は107万4,886 人.このうち英検3級以上を取得しているのは20万2,816人である.

そして,上の表によると2013年度中学生の3級以上英検合格者は31万9,553人.
そのうち,準2級合格者61,632人は19.2%を占める.

このパーセンテージを①に当てはめれば,2015年における公立中学3年生における英検3級以上取得者のうちの英検準2級取得者数が推定される.

20万2816人の19.2%は38,940人.これは2015年における公立中学3年生の3.6%である.

したがって,英検準2級取得者は公立中学3年生の3.6%と推定される.

私立中学生の準2級取得者は不明(だが私立中学生徒数は全体の7%)

私立中学生徒の英検準2級取得者数はデータがないのでわからない.

私立中なら準2級合格・取得者はもっと多いかもしれない.だが,英検への取り組み方は私学でも千差万別だ.

うちの子(中3)が通っている中高一貫校はやっと今年から全員の英検受験を始めたばかり.準2級を持っている子はクラスに3人しかいないと言う(それでも公立よりは多いか).

だが,私立中学生徒数は資料2によると24万9,419人.これは全中学生の7%にすぎない.

公立生に比してより多くの私学生が英検準2級を取得していたとしても,それが中学生全体の指標になり得ないのは自明だ.

おわりに:中学生で準2級合格・取得は決して普通ではない

ここまで見たとおり,中学生による英検準2級合格・取得は決して普通とは言えない.仮に公立中学3年生1クラスの平均人数を30人とすれば,英検準2級取得者はクラスに1人くらいしかいないと推測される.

もしかしたらperl-o-pal(id:perl-o-pal)さんが通った中学もしくはお子さんが通っている/通っていた中学では準2級をもっている子は普通なのかもしれない.

だが,普通という表現はそれぞれの方の観測範囲のマジョリティにすぎない.

観測範囲が変わればなにが普通かもかわる.中学生全体でみれば,英検準2級取得者はまだまだ数少ないのが普通なのだ.

 

普通の中学生でもしっかり勉強すれば英検準2級は合格できる.でも中学生が準2級くらいを普通に合格・取得しているわけでは決してない.

へそちゃさんの記事によれば,中学生のモチベーションは「◯◯君、中学生なのに準2級持ってるの!?スゴ~い!!」という声なのです。彼らの頑張りのエネルギー源は結局はこの種のスケベ心なのです。」 に他ならない.

「スゴい」こと,すなわち周りに取得者があまりいない,まだ希少な資格だからこそ,中学生にとって準2級合格はステータスとなり,合格を目指す励みになるのだ.

 

ご存じの通り2020年度から大学入試センター試験が廃止されて大学入学テストに切り替わる.その際,英語には民間試験が導入される.

どの民間試験が導入されるかはまだ不明だが,最有力候補は英検だろう.将来的には大学入試英語対策として中学生のうちに英検準2級をもつことがごく普通になってもおかしくはない.それがいつになるかはわからないけれど.


ではまた!