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フィギュアスケートを2倍楽しむ方法ープロトコルを読みましょう!

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はじめに

羽生選手のバルセロナ・GPシリーズファイナルSP演技の興奮がまだ冷めていません.

今朝(2015年12月12日)の朝日新聞朝刊のスポーツ面を見たら,羽生選手の記事が大きく取りあげられていました.特筆すべきは,出来映え点や演技構成点の内訳まで記載されていたことです.こんなの,新聞じゃ初めて見ました.

紙面では,演技構成点5項目のうち,表現力が10.00だったことを強調したかったみたいですね.新聞各紙WEB版の見出しでも「満点演技力」が目立ちます.

うちでとってるのは朝日新聞だけなので,朝日の記事にしか言及しませんが,「出来映え点は最高が3点」としか書いてありません.これじゃまだ不十分です.

 

ファイナル大会のプロトコルは全競技終了後に公表されますが,これまでに行われた競技の結果はこの記事を書いている時点で入手可能です.

せっかくなので,羽生選手の得点結果を読んでみましょう!

もし良かったら,この記事も読んでみてくださいね!ね!!

browncapuchin.hatenablog.com

ファイナル大会の得点記録を入手しましょう

前回の記事の通り,
ISUのHP
→"SINGLE & PAIR SKATING   ICE DANCE" をクリック
→"ISU GRAND PRIX  OF FIGURE SKATING SERIES" をクリック→すると次のページに行きます.リンクを貼っておきます.

http://www.isu.org/en/single-and-pair-skating-and-ice-dance/series/isu-grand-prix-of-figure-skating

 

このページの楕円で囲んだ部分をクリックする

f:id:browncapuchin:20151212100018p:plain

 

ファイナル大会のページになります.
楕円で囲んだ"Entries/results"をクリック.

f:id:browncapuchin:20151212100403p:plain

 

 

このページになります."Starting orders/ Results Details"をクリック

f:id:browncapuchin:20151212100933p:plain

 

このページになります."Scores(pdf)"をクリックします.文章選択範囲じゃなくて,直リンクのURLを貼っておきます.

http://www.isuresults.com/results/season1516/gpf1516/index.htm

f:id:browncapuchin:20151212101407p:plain

 

男子SPの得点記録にたどり着きました.直リンク貼っておきます.

http://www.isuresults.com/results/season1516/gpf1516/gpf1516_Men_SP_Scores.pdf

f:id:browncapuchin:20151212101723p:plain

 

得点記録を読んでみましょう

では,羽生選手の得点記録を読んでみましょう.

合計何点だったのかは,四角で囲んだ部分に記載されています.110.95点でした.

f:id:browncapuchin:20151212102345p:plain

その内訳は,技術点(テクニカルエレメンツ)61.81点と演技構成点(プログラムコンポーネンツ)49.14点の合計です.

 

演技構成点を見てみましょう

先に演技構成点を見てみましょう.

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四角で囲んだ部分が演技構成点になります.英語名称の日本語訳は朝日新聞に従いました.

Skating Skills→スケーティングの技術
Transition/Linking Footwork→技と技のつなぎ
Perfomance/Execution→表現力
Choreography/Composition→振り付け
Interpretation→音楽の解釈

9人の審判員がつけた得点のうち,最高と最低を除外した残り7人の合計点の平均が得点となります.羽生選手のPerfomance/Executionすなわち表現力は,最高10点をつけた審判員が8人,最低9.75点を付けたのが1人,したがって,10点と9.75点を除外して,残りの10点7名分を合計すると70点,7で割った平均は10.00となったわけです.

演技構成点の枠内に,Factorとあって,5項目すべて1.00となっているのがおわかりでしょうか?これが係数です.男子SPの5項目の演技構成点にはすべて1.00の係数が掛けられます.羽生選手の場合なら,

表現力の得点は 審判員7名の合計70.00の平均10.00×1.00 = 10.00

となります.男子の演技構成点の係数は,SPで1.00,FSで2.00です.この点についても拙記事に書いてありますのでご笑覧いただければ,と思います.

 

browncapuchin.hatenablog.com

 

技術点を見てみましょう

次に,技術点をみてみましょう.技術点は,基礎点と出来映え点に分かれます.

基礎点,出来映え点をそれぞれ囲みました.

f:id:browncapuchin:20151212104539p:plain

基礎点は7項目あります.実際に演技したジャンプの種類と,スピン,ステップの種類が記載されています.スピン,ステップについてはレベルも記載されています.

 

例えば,上から3つ目の要素はFCSp4と記載されています.これは,「フライングキャメルスピンを行い,そのレベルは4」だった,ことを意味します.

羽生選手は,残念ながらStSq3すなわちステップシークエンスのレベルが3でしたので,基礎点が0.6点減点されています.これさえなければ,基礎点は満点の48.05点でした.

 

 

出来映え点をよく見てみましょう

次に,7つの演技要素すべてについて,日本語名称,実際の出来映え点を得点表から抜き出して書きます.出来映え点については,()内に最高出来映え点を追加しましたちょっと読みにくくてすみませんが,羽生選手が得点した出来映え点と,最高評価の出来映え点を較べてみてください.


1.4S→4回転サルコウ,3.00(3.00)
2.4T+3T→4回転トウループ+3回転トウループ,3.00(3.00)
3.FCSp4→フライングキャメルスピン,1.29(1.5)
4.3A→3回転アクセル,2.71(3.00)
5.CSSp4→足替えシットスピンレベル4,1.43(1.5)
6.StSq3→ステップシークエンスレベル3,1.50(2.1)
7.CCoSp3p4→足換えコンビネーションスピン3姿勢レベル4,1.43(1.5)


出来映え点は,例えば4回転サルコウなら-4,-2.4,-1.2,+1,+2,+3,フライングキャメルスピンだったら,-0.9,-0.6,-0.3,+0.5,+1,+1.5と判定されます.

ジャッジは-3,-2,-1,0,+1,+2,+3の7段階でそれぞれの要素の出来映え点を評価します.この評価が,この部分に記載されています(出来映え点が6段階なのに,評価が7段階あるのが謎ですが).

 

f:id:browncapuchin:20151212111704p:plain

出来映え点GOEについても,最高・最低を除いた7人のジャッジの合計の平均が得点となります.

 

羽生選手のSP,GOEのジャッジが2と3しかないです.こんなの初めて見ましたよ!

 

下の表は,NHK杯でのSPのものです.

f:id:browncapuchin:20151212112018p:plain

いや,これだってものすごいんです.マイナス評価ないですから!

でも,バルセロナの羽生選手はNHK杯の羽生選手を超えてしまいました.残念なのはStSq3すなわちステップシークエンスのレベルが3だったことだけですね.ここで0.6点減点されています.このことがわかるのも,プロトコルが読めればこそ,なのです.

羽生選手は,SPで転倒等のDiduction(減点)もありませんでした.このことも得点記録に記載されています.

 

また,3回転アクセルは演技後半に行われているので,基礎点が1.1倍されています.

いかがでしたでしょうか?

筆者もまだわかっていないことが多分にありますが,とりあえず,どの演技がどう評価されたのかについて,わかったんじゃないかな,と思います.

筆者は,正直言って,どのジャンプがルッツでトウループでサルコウで,というところすら未だに見分けが付かないレベルの一般視聴者です.この演技はノーミスだったのに,なんでこんなに点数低いのか?ということもTVで見ただけじゃわかりませんでした.

コアなファンにはきっと足蹴にされることと思いますが,得点記録すなわちプロトコルを自分なりに読めるようになって,世界がちょっと広がりました.

この記事にお付き合いくださった方のフィギュアスケートの楽しみ方が広がりますように.

FSでも羽生選手の素晴らしい演技が見られますように.