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【宅建】宅地建物取引士資格試験に合格!試験内容ほかについて

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去年涙を呑んだ2016年度宅地建物取引士資格試験にようやく合格しました.

今年度の問題から5問抜粋・引用しましたので,興味のある方はぜひ挑戦してください.解答は最後に記載しました.

 宅建とは

「宅建」とは宅地建物取引士資格試験のこと.「宅建士」が宅地建物取引士の略称です.

2015年のデータでは,金融・不動産分野における総受験者数最多資格試験はFP(ファイナンシャル・プランニング技能検定)の約35万人(TACデータファイル| 資格の学校TAC[タック]).ただし,FPは実施団体が2つある上,1級〜3級まであります.しかも級によっては年3回受験可能.

それに対して,年1回しか試験のない宅建受験者数は約24万人.申込だけして当日欠席する人もけっこういて,実際の受験者数は20万人くらいなのですがこの分野では最大級の資格試験といえます.

宅建受験は年齢・学歴による制限は一切なし.平成28年度試験での最年少合格者は16歳,最高齢は77歳(http://www.retio.or.jp/exam/pdf/result.pdf).平成26年には12才で合格も(宅建試験合格者 年齢).実際,試験会場には老若男女がおりました.

今年は19万8,463人が受験し,3万589人が合格.合格率は15.4%.

合格率はおおむね15%くらいに調整されているようです.このため,明確な合格点が存在せず,毎年合格基準点が異なります.

 

宅建士は,2014年試験までは宅地建物取引主任者資格試験とされていました.2015年4月1日から主任者ではなくとなり,弁護士・司法書士などの「士業」の仲間入りを果たしました.

士業になったことで試験の難易度アップが図られたせいか,私が初めて受けた昨年2015年度試験の合格基準点は2000年度試験の30点に次いで低い31点.2015年10月18日試験直後のTwitterタイムラインは阿鼻叫喚の地獄絵図.

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私は自己採点29点で散りました.もともと受けるつもりなど微塵もなく,当然宅建の内容なんて全く知らないのにひょんなことから急に受けることになったので・・・と言い訳しておきます.


去年と同じ轍は二度と踏むまいと誓い,今年は試験前1ヶ月間ブログも更新せずに取り組んだ甲斐があってか結果は38点.今年の基準点は35点と去年より4点も高かったのですがなんとかクリアできました.まあ,学習手段の項で述べるように36点とれればクエストクリアなのです.


宅建は,試験に一度受かってしまえば生涯「宅地建物取引士有資格者」でいられます.ただし,宅建士になるなら手順を踏んで登録し,宅建士証の交付が必須です.宅建士証の有効期間は5年間,更新時には知事指定講習の受講が必要です(こういうところも試験に出ます).

不動産業に従事しない場合は宅建士証は不要かもしれませんが,せっかく合格したのだから私は交付申請します.来年1月の実務講習をすでに申し込んだので,ぜんぜん休めません・・・

【追記】2016年12月5日 登録実務講習のテキストが到着.こんなのです.

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基準点の発表

合格発表は試験日の約1ヶ月半後,今年は2016年11月30日でした.合否はインターネットで9:30から,各都道府県庁等にて9:00から発表されます.

ですが,合格発表に先立つこと9時間,夜中の12:00頃になぜかこんなツイートが流れたりします.


合格基準点が判明しても,解答用紙のマークミスや何らかの手違いがないとは言えません.結局,合格発表を見に行く方以外は一般財団法人不動産適正取引推進機構による9:30のオンライン発表を待つことになります.

合格者速報-2

晴れて合格すれば,早ければその日のうちに合格証の入った封筒(記事冒頭の画像)が到着します.中には合格証が同封されています.合格証の画像は割愛.

なお,不合格の場合はなんにもありません.とても悲しいし悔しいですが気持ちを切り替えましょう. 

試験内容・試験問題

◆試験内容
・制限時間2時間
・問題はすべてマークシートで4肢択一,全50問で50点満点
・毎年発表される合格基準点以上にて合格

◆試験問題
・権利関係 14問
・法令上の制限 8問
・宅建業法 20問
・税 2問
・その他 6問

なお,宅地建物取引業従事者で指定講習を受講・修了試験合格者が一定期間内に試験を受験する際には5問免除されます.5問免除者の合格率は一般受験者よりも数ポイント高いです(
宅建 5問免除の条件とは?知っ得!宅建試験 免除制度の基礎知識).

では実際の試験問題から5つだけ紹介します.力試しに解いてみて下さい.解答は記事の最後に記しました.

◆権利関係には民法,借地借家法,区分所有法,不動産登記法が含まれます.

<平成28年問7>
AがBから賃借する甲建物に,運送会社Cに雇用されているDが居眠り運転するトラックが突っ込んで甲建物の一部が損壊した場合(以下「本件事故」という.)に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはいくつあるか.なお,DはCの業務として運転をしていたものとする.

  • ア AはBに対し,甲建物の滅失した部分の割合に応じ,賃料の減額を請求することができる.
  • イ Aは、甲建物の残りの部分だけでは賃借した目的を達することができない場合,Bとの賃貸借契約を解除することができる.
  • ウ Cは,使用者責任に基づき,Bに対して本件事故から生じた損害を賠償した場合,Dに対して求償することができるが,その範囲が信義則上相当と認められる限度に制限される場合がある.
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし


法令上の制限には都市計画法,建築基準法,土地区画整理法,国土利用計画法,農地法,宅地造成等規制法,その他の法令が含まれます.

<平成28年問16>

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.市街地開発事業等予定区域に係る市街地開発事業又は都市施設に関する都市計画には、施行予定者をも定めなければならない。

2.準都市計画区域については、都市計画に準防火地域を定めることができる。

3.高度利用地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。

4.地区計画については、都市計画に、地区計画の種類、名称、位置、区域及び面積並びに建築物の建ぺい率及び容積率の最高限度を定めなければならない。

 

◆宅建業法は宅建業法と特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保に関する法律です.これで20問あるため,ここでの出来不出来が合格への分かれ道となります.

<平成28年問33>

宅地建物取引業者が売買等の媒介に関して受けることができる報酬についての次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはいくつあるか.

ア 宅地建物取引業者が媒介する物件の売買について,売主があらかじめ受取額を定め,実際の売却額との差額を当該宅地建物取引業者が受け取る場合は,媒介に係る報酬の限度額の適用を受けない.

イ 宅地建物取引業者は,媒介に係る報酬の限度額の他に,依頼者の依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して,依頼者から受け取ることができる.

ウ 居住用の建物の貸借の媒介に係る報酬の額は,借賃の1月分の1.08倍に相当する額以内であるが,権利金の授受がある場合は,当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算定することができる,

  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. なし


◆税には国税と地方税があります.

<平成28年問23>

印紙税に関する次の記述のうち,正しいものはどれか.

1.印紙税の課税文書である不動産譲渡契約書を作成したが,印紙税を納付せず,その事実が税務調査により判明した場合は,納付しなかった印紙税額と納付しなかった印紙税額の10%に相当する金額の合計額が過怠税として徴収される.

2.「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)とBの所有する乙土地(価額3,500万円)を交換する」旨の土地交換契約書を作成した場合,印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は3,500万円である.

3.「Aの所有する甲土地(価額3,000万円)をBに贈与する」旨の贈与契約書を作成した場合,印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は,3,000万円である.

4.売上代金に係る金銭の受取書(領収書)は記載された受取金額が3万円未満の場合,印紙税が課されないことから,不動産売買の仲介手数料として,現金48,600円(消費税及び地方消費税を含む。)を受け取り,それを受領した旨の領収書を作成した場合,受取金額に応じた印紙税が課される.

◆その他には鑑定評価基準,地価公示,住宅金融支援機構,景品表示法,統計,土地・建物が含まれます.地価公示からの5つが5問免除対象問題です.

<平成28年問49>

土地に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか.

1.豪雨による深層崩壊は,山体岩盤の深い所に亀裂が生じ,巨大な岩塊が滑落し,山間の集落などに甚大な被害を及ぼす.

2.花崗岩が風化してできた,まさ土地帯においては,近年発生した土石流災害によりその危険性が再認識された.

3.山麓や火山麓の地形の中で,土石流や土砂崩壊による堆積でできた地形は危険性が低く,住宅地として好適である.

4.丘陵地や台地の縁辺部の崖崩れについては,山腹で傾斜角が25度を超えると急激に崩壊地が増加する.

 

50問の中で,土地に関しては唯一常識のみで正誤判定できる場合が多いです.一方,他49問中48問はきちんと勉強しないと解けないものばかり.決してなめてかかってはいけません.

なお近年の第1問は4肢のうち民法条文に規程されているものを答えるという出題になっています.現行民法条文および改正民法条文を知っていれば楽に答えられますが,そんな受験生はふつういません.

学習手段

平成元年以降における宅建の最高合格基準点は36点でした.このため36点とれればまず大丈夫だろうと言われてます.

宅建業法20点+その他6点+税2点+法令8点=36点なのでそれこそ民法等は捨てても良いとまで言いきる講師もいます.それは極論かもしれませんが,いずれにしても宅建業法中心で勉強するのが鉄板でしょう.

中には参考書と過去問だけで合格する方もいるようですが,合格率約15%のうち,独学での合格率は6%程度と推測されています(と,某講師が言ってました).

そんなことは露知らず,2015年は以下の参考書とネットだけを利用しました.

2016年版らくらく宅建塾 (らくらく宅建塾シリーズ)

2016年版らくらく宅建塾 (らくらく宅建塾シリーズ)

 

 

最初にマンガを読んで雰囲気をつかみました.

2016年版 マンガ宅建塾 (らくらく宅建塾シリーズ)

2016年版 マンガ宅建塾 (らくらく宅建塾シリーズ)

 

 

なお,貼り付けたのは2016年版です.これを買ってはいけません.もし受験をお考えでしたら2017年版の出版まで待ちましょう.

ネットはこちら.

www.takkenya.com

はじめは無料で使ってましたが,広告等の表示や機能制限がうっとうしいので課金しました.と言っても1ヶ月程度の利用で支払ったのは¥500のみ.

しかしながら,すでに述べた通り2015年は問題の難易度が高かったせい(という言い訳)で結局不合格.


そこで,2016年はこちらを利用しました.

 

takkenmiyazakijyuku.com

宮嵜晋矢先生は数多の無料YouTube動画を惜しげもなく公開しています.私はいつでもどこでも勉強できるよう,DVD教材とDVDプレーヤーを購入.仕事場・台所・寝室問わず持ち運んで視聴していました.

 

宅建みやざき塾のDVD教材と直前講習を受講することで,「本試験を解くのには不要な知識」に煩わされることがなかったのが最大の収穫でした.

出題傾向は年によって傾向があります.今年はこれが出たから来年はまずこれは出ないだろうという予測ですね.素人でもできないことはないかもしれませんが,こういうのはプロの見立てを参考にすべきです.数年に1回しか出題されない問題が去年出たから今年は99%出ないだろう,というヤマですね.信じる信じないは人それぞれではありますが,今年出題された印紙税はどんぴしゃでした.


また,講師によって違いがあるかもしれませんが,問題をよく分析している講師は学習内容の無駄が少ないです.

例えば国土利用計画法には事前届け出事後届け出があり,上にあげた「らくらく宅建塾」には注視区域における事前届け出についても記載されてます.しかし,「宅建みやざき塾」によれば事前届け出に関する出題は近年まず出題されないとのこと.むろんその理由も説明されており,とても的を得た学習ができました.わかる人にはわかると思いますが,国土法の事後届け出は「2×5=10,ピッタリ」だけで解ける問題がとても多いです.こういった緻密な問題分析をベースにしたムダの非常に少ない学習法は市販の参考書だでけ勉強してたらまず不可能です.罰則の勉強なんか3分もかかりませんでしたよ.

私は今年どうしても合格して次のステップに進みたかったのでDVD教材等に投資しました.効率よく勉強するにはきちんとスクールに通ったり通信講座を受講したり教材を購入するなど何らかの形でプロの指導を仰ぎ,対価を惜しまないのが吉だと思います.

むろん,独学で合格なさる方もいらっしゃいます.あくまで私見です.

申込スケジュール

来年2017年度の申込等はまだ公表されてませんが,6月頃に日程が確定すると思います.こちらを参照してください.

www.retio.or.jp

とりあえず2016年についてかいつまんで書いておきます.

・申込期間 7月1日〜8月1日(2017年7月1日は土曜日のため,もしかしたら前後にずれこむかもしれません)

・受験資格 特になし

・受験料 ¥7,000

・試験日 10月16日(2017年はたぶん10月15日)

・試験時間 13:00〜15:00

結果速報はその日の16:00頃から各スクール等で公表され,合格発表までの約1ヶ月半憂鬱な日々を過ごすことになります.

大手スクールは資格の大原,LEC,TAC,日建学院等,通信講座はユーキャンなんかがあります.興味ある方はHP等ご覧になって下さい.

おわりに

宅建は年齢・学歴関係なく誰でも受験できる資格試験です.宅建で法律の勉強に足を踏み入れたのをステップに次の資格取得に動く方もいると思います.

私は去年宅建に落ちたのをきっかけにFPを受験しました.

3級FPは1ヶ月で受かる!合格率,直前勉強法,試験会場について -

FP技能検定3級合格したので2級受検申し込んだ【2級合格率,学科の直前勉強法】 
残念ながら2級はまだ学科しか合格していません.やっと宅建に受かったので2017年5月か9月に2級実技を受けるつもりです.

FP受験には宅建で勉強したことが不動産および相続分野にとても役立ちました.ただし,FPでは宅建に不要な細かい知識まで求められるため,「どうしても宅建を取る!」という方にはFPの勉強は余分なのでおすすめはできません.

 

自分にとっての宅建は,不動産業界で働くことが目的ではなく,相続対策の一環として必要な資格でした.宅建合格を足がかりにしてあといくつか必要な資格をとって,老後の備えとするつもりです.つい先日,不動産キャリアパーソンにも合格しました(思いの外簡単な試験で拍子抜けしましたが受かって良かった).

解答

解答番号と難易度のみ記載します.難易度は日建学院による平成28年度 宅建本試験問題・全問解答解説集によります.易<普<難の3段階評価です.

平成28年問7  (難易度:普)→3
平成28年問16(難易度:普)→1
平成28年問33(難易度:普)→3
平成28年問23(難易度:普)→2
平成28年問49(難易度:易)→3

いかがでしたか?


ではまた!