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羽生結弦選手の功績とは?男子フィギュアスケート新時代を切り開き国民栄誉賞授与へ

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羽生結弦選手,国民栄誉賞受賞へ

2018年3月2日読売新聞朝刊(東京版)一面を見てびっくりしました.

なんと羽生結弦選手が国民栄誉賞を受賞するというのです.

羽生選手に国民栄誉賞授与へ…連覇偉業を評価 

 

読売新聞一面の国民栄誉賞受賞者一覧に目を通すと,これまでに受賞したスポーツ選手は以下の通り.

・王貞治(プロ野球選手)
・山下泰裕(柔道選手)
・衣笠祥雄(プロ野球選手)
・千代の富士(大相撲力士)
・高橋尚子(マラソン選手)
・サッカー女子ワールドカップドイツ大会日本代表チーム
・吉田沙保里(レスリング選手)
・大鵬(大相撲力士)
・長嶋茂雄(プロ野球選手)
・松井秀喜(プロ野球選手)
・伊調馨(レスリング選手)

おわかりと思いますが,これまでの国民栄誉賞受賞者には冬季オリンピック競技での受賞者がいないのです.


冬季オリンピックでの金メダリスト(団体含む)はこれまで延べ24人(日本の冬季オリンピック金メダル - Wikipedia).

うち2人,すなわち2回,しかも連続で金メダルを獲得したのは羽生選手ただ一人なのです.

国民栄誉賞とは?

国民栄誉賞という言葉はよく耳にします.

国民栄誉賞について - 内閣府

内閣府によると「この表彰は、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えることを目的とする。」とされており,表彰の対象は「内閣総理大臣が本表彰の目的に照らして表彰することを適当と認めるものに対して行う。」とのこと.

 

国民栄誉賞 - Wikipediaによれば,1977年に王貞治氏がホームラン世界記録を達成した際,先に設置されていた内閣総理大臣顕彰が定めた表彰対象にプロ野球選手がなかった等の事情から,「より柔軟な表彰規程を持つ顕彰」として国民栄誉賞を創設したとのこと.

若い方はご存じないかもしれませんが,王貞治氏の国籍は中華民国(台湾).国民栄誉賞授与は日本国籍に限ったものではなく,内閣府の該当HPを読む限りではその基準もよくわかりません.

あたかも時の総理が恣意的に決められそうに思えてなりません.

しかしながら,国民栄誉賞 - Wikipediaには,"公開されている授与基準の他に、「これまで功績を積み重ねてきた上に、さらに歴史を塗り替える、突き抜けるような功績をあげた」という「暗黙の了解」を満たしていることも必要"ともあります.

・これまで功績を積み重ねてきた
・さらに歴史を塗り替える
・突き抜けるような功績

となると,「前人未踏」という言葉が頭に浮かびます.

 

フィギュアスケートファンにとって,特に2014年頃から現在までの羽生選手の活躍はまさに前人未踏にふさわしいものでした.

羽生選手の功績をたどる

羽生選手がシニアに上がり,初めて主な国際大会の表彰台に上ったのは2011年の四大陸選手権(2位).そこから快進撃が始まります.

◆グランプリシリーズ上位6名が出場するグランプリファイナルでは2013〜2016年まで4連覇.

◆2014年ソチオリンピックでは日本人初の男子金メダル獲得.

◆世界選手権も2014年・2017年に優勝.

◆何と言っても忘れてならないのは2015/16シーズンNHK杯で史上初のFS200点超・トータル300点超と世界歴代最高得点をマークしたこと.しかもその記録(322.40点)を直後のGPファイナルでさらに更新(330.43点).

彼はこのとき,男子フィギュアスケートの世界を,それまでの「一か八かを賭けて4回転ジャンプを飛ぶ」時代から「複数の4回転ジャンプを含む高難度プログラムを高い完成度で演じる」時代へと競技のレベルそのものを変革させてしまったのです.

羽生結弦選手GPファイナル330.43点の凄さの本質は高難度プログラムとその完成度にある【フィギュアスケート2015/16シーズン】 - おまきざるの自由研究

2014年ソチオリンピックを振り返る

2014年ソチオリンピックには,羽生選手以外に日本から町田樹選手と高橋大輔選手,そしてハビエル・フェルナンデス選手に当時の王者パトリック・チャン選手らが出場していました.

ソチオリンピック男子フィギュアのFSで,6位以内入賞選手が挑んだ4回転ジャンプは10回.うち成功したのは6回です.

高橋選手はたった1つだけ予定していた4回転トウループを失敗しました.羽生選手は2つ予定していた4回転ジャンプのうち4回転サルコウを失敗.すべて成功させたのは4回転トウループと4回転サルコウ+3回転トウループを飛んだフェルナンデス選手だけでした.

ソチオリンピックはまだ4回転ジャンプが一か八かの大技の時代だったのです.そして,2014年GPファイナルでもまだその傾向が色濃く残っていました(FSの4回転ジャンプは11回,うち成功は8回).

2015年GPファイナルを振り返る

その状況は2015年GPファイナルで一変します.6選手によるFSでの4回転ジャンプは16本と,どの選手も2本以上の4回転ジャンプを演技構成に採り入れるように.時代は完全に高難度プログラムに移行しました.

しかも16本のジャンプのうち,14回が成功(成功率87.5%).ここからが大切なのです,羽生選手は3つの4回転ジャンプを成功させた上,そのうち2つで最高の出来映え点(GOE3点)までをも獲得. 出来映え点の重要性を飛躍的に高めるとともに演技構成点をも跳ね上げ,すでに述べた通り世界歴代最高点を300点超に引き上げました.

以来,男子フィギュアスケートは高難度プログラム・高完成度の両立を要求される一段階レベルの高い競技へと変貌したのです.


この点については拙エントリーに詳述してあります.

羽生結弦選手は男子フィギュア「4回転ジャンプは跳べて当たり前」な競技にした:新時代とは異次元の出来事が普通になること - おまきざるの自由研究

そして2018年平昌オリンピックで金メダル

高難度プログラム・高完成度時代の幕を開けてしまった羽生選手は,さらなる高みを目指し,もっとレベルを上げたプログラムに挑戦.新たな4回転ジャンプの習得・実戦投入の最中に負傷しました.

それでも2018年平昌オリンピックで金メダルを獲得.男子フィギュアでの連覇は66年振りのことです.無論,日本人で初めて.まさに前人未踏の偉業です.

羽生選手は男子フィギュアスケート新時代を切り開き,66年振り五輪連覇という前人未踏の活躍を成し遂げた

ここまで読んでいただければ羽生選手の活躍が, 

・これまで功績を積み重ねてきた
・さらに歴史を塗り替える
・突き抜けるような功績

に該当することがおわかりのことと思います.

単に金メダルの数で言えば,羽生選手の2つは体操の内村航平選手の3つにはかないません.

しかしながら,内村選手のオリンピック連覇・金3つは前人未踏とは言い難いのです.

体操選手のオリンピック金メダルを調べたところ,いきなり1956年メルボルンオリンピック,1960年ローマオリンピック,1964年東京オリンピックと3大会連続で金メダルを6個も獲得している小野喬選手を発見して喫驚しました.

オリンピックの体操競技・日本人メダリスト一覧 - Wikipedia

塚原光男選手も1968年・1972年・1976年の3大会連続で金メダルを獲得しています.

対して内村の金メダルは2012年男子個人総合・2016年男子団体と男子個人総合の3つのみ.

現代体操と当時ではレベルも違うでしょうし個人総合の重みもあるとは思います.でも単純にメダルの数で比較すれば内村選手はまだ先人を超えていないのです.

じゃあ3大会連覇の柔道・野村忠宏選手はどうなのか?と言われるかもしれません.でも逆に野村選手は柔道競技のレベルを変えてしまうほどの選手だったのか?と問い返したいです(もしそうならすみません).

羽生選手は男子フィギュアスケートの新時代を切り開き,さらに世界で66年ぶりにオリンピックを連覇を果たすという前人未踏の活躍を成し遂げました.

 

羽生結弦選手は国民栄誉賞に十分値するフィギュアスケーターなのです.

ではまた!

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